プランニングの考え方
まず希望を明確にする
家作りとは、自分や家族がどの様な希望・スタイルを持っているかを明確にする事が重要だと思います。
まず家作りは、一生に一度の大きな買い物です。 建ててしまってから失敗したでは、取り返しがつきません。
資金計画から、プランニングに必要な資料や思い・スタイル・望みを明確に伝えられる様に 、ご自身とご家族でしっかりと話し合うことが必要ですね。
大きな買い物だけど・・でも専門的な事は分らない・・プランも決められた中から選び高いのか?安いのか?分らないといったことはよくある話です。
実際に家を建ててから相談に来る人も何件かあります。
契約されており、どうにもならないケースもありました。その内容は、いまさらどうしようもない、泣き寝入りをせざるを得ないような内容がほとんどです。
家作りに必要なのは、分からないうちには物事を進めない、スタイルと望みを明確にして、それを形にし納得するまで説明をしてもらうことです。
資金計画をきちんと出し、打ち合わせも充分にして納得してから契約をする。
専門用語などに惑わされず、分らない事はしっかりと質問するなどです。
事例紹介
プランニングをして見積書を出してもらい、説明を聞く時点で、あいまいな部分があったので、打ち合わせ通りに見積もりが出来ているのかと尋ねたら、「予算が合わないので 違う外材にしました、他の部分は新建材にしました」などと尋ねなければそのまま進んでしまう様なひどいケースがあり、その見積書を持ってご相談にこられました。
そこで、全て目を通し確認した所、たくさんの箇所で変更されている事がわかりました。
この事を伝え、打ち合わせ通りに見積書を作成して進めてもらう様お話をしてお帰りいただきました。
この様なケースが実際に身近な所で起きています。
建築会社の悪い所は、勝手に内容を変更し、それをお客様に伝えずに進めようとした事です。絶対にやってはいけない事ですから、その様な行為をした会社とその営業マンも悪いですね。
私はそんな所で建ててもいい物は出来ませんから、やめた方が良いと思います。
もっと親身に相談に乗ってくれる所も沢山ありますからね。
家作りをする際大切なのは、絶対に失敗してはならないを基本に、しっかりと資金計画からプランニング・仕様内容確認・工事期間計画・資金面は計画通りに進め、追加でオーバー分等はしっかりと提示してもらい把握する事です。
良い家作りは「住まい手と作り手との良い人間関係」が、もっとも大切な要素ではないかと考えています。
住まい手と作り手との良い人間関係
住まい手のおもい
これから家を建てようとする人たちは、インターネット情報や、雑誌、専門書などで良く勉強されて来る人たちがほとんどです。
その分、お客様の感覚やスタイルが分り易くなってきたと思います。
今、家を建てるのに良い家に住みたいというのは当然な事で、それをどの様に形にしていくかであると思います。
住む人の環境、生活スタイル、希望、感覚、家族構成など様々な状況の中での思いがあるからです。
人によって思いの表現が異なりますが、基本的には良い物を作り住みたいのが希望です。
では、どんなプラン、どんなデザインが自分に合っているのか、何とか良い物を考えて欲しい、また予算面でのやりくりもお願いしたいといった要望希望がほとんどです。
作り手のおもい
作り手からすると その様な思いをぶつけて頂き、どうしてゆこうか真剣にお客様の要望希望と取り組み、時間をかけて少しずつ着実に進めていきます。
お客様の生活スタイル、動線などを感覚で捉え図面化していきます。
そのプランニングの中で゛提案し提案されそんな一つの目標に向かいキャッチボールを進めていきます。
お客様の思いを聞き、色んな建物を一緒に見て回り説明させて頂き、住まわれているお施主様と意見交換などもしていただいております。
「宗政」で建てられたお客様で、建てた後でも見学会に参加したいと楽しみにして下さる方もいらっしゃいます。
自分の家を「いつでも、これから建てる人たちに見てもらって良いよ」、とおっしゃって頂くお客様が多く、本当にありがたく感謝しています。
プランニングの進め方
敷地の確認
家を作るのには調査が重要、プランニングをする事は、まず敷地を確認する必要があります。
分譲地なのか、今住んでいる所の建替えなのか、土地を購入して・・など様々な状況があります。
眺めの良い土地・隣の家が自分の土地に近づいている・接続道路の交通量が激しい・南に向いていない・十分な広さがあるなど、気になる点・問題点や敷地の条件や制限などを確かめ、その土地と暮らしに合ったプランニングをしなければなりません。
単に敷地に収まっていれば良いのではなく、住まい手と、作り手の話し合いから進めて行くようにします。
分譲地の場合、建物を建てるのに土地に対して何パーセントまでなら建てても良いよ、隣の境から何センチ離しなさいよ、高さ制限がありますよ、用途地域の制限がありますよ、などいろいろありますので、これらの内容をクリアーする必要があります。
街中などで、よくあるのは防火地域(準防火地域)などがあり、たとえば南面の開口部のガラスが防火戸(網入・防火ガラス)でないとだめなケースもあります。
こんな場合敷地の問題になりますが南面の土地が広くあいている場合は防火戸の設置をしなくてよい場合もあります。
飛行場などの周辺で危険区域と防音装備をするための工事金が出してもらえるケース、高圧電線がある場合その線から何メートル以上離さなければいけませんよ、など様々な問題点を解決するために土地を充分に調査する必要があるのです。
土地の調査
この他、土地そのものの土の形状を把握しましょう。
埋立地・田・畑・その土地の水位などを調べ硬さが十分であるか調査をします。
軟弱地盤の場合、地盤改良、パイルの打ち込み、基礎を硬い所まで伸ばすラップルコンなどが必要になります。
いろいろな問題点などを踏まえプランニングに入りましょう。
後は制限などをクリアーし配置・大きさ・高さ・仕上げ材と言った順番で決め、セッティングしていきます。
外観・間取りのプランニング
いよいよ間取りのプランニングが始まります。
間取りの配置、雰囲気、自分の持っているこだわり、建物の外の動線と生活スタイル、建物内部の動線と生活スタイル、窓の開口部の配置、空気の動き、空間など様々な点を考え進めていきます。
おおよその配置が決ったら立体化してみましょう。
建物の外観は様々です。シンプルな間取りと形、和風、洋風、南洋風、アメリカン、ヨーロッパ風、和洋折衷などがありますが、自分に合った形、色などを創造する。
形にとらわれず、自分自身のスタイルでプランニングする。この決め手として色んな雑誌、専門書、実際の建物を見る、などから、どんな形でも良い部分をピックアップし組み込んでいく方法です。
つまり和風、洋風などにとらわれずに自分のスタイルの物を作る方法です。
近年建築させて頂いている、お客様の建物は全てがこの方法でプランニングしています。
この方法は、お客様のスタイルと今まで作ってきた側との連携プレーになります。
初めてお客様が建てられる住宅を、どれだけ造り手が経験したこととアイデアなどの提案を出し切るかになってきます。
どんな無理な空間だと思っていても、それを作り手にぶつけて見る、作り手がそれを考え提案し、実現に近づけていくということです。
プランニングは生み出し創りあげていく為の最初の作業で、一番大事な仕事となります。
お任せするだけでなく お客様も一緒に参加し考えて造る物です。
プランニングは創造し実際に形にするための共同作業。
わくわくしながら、楽しんでプランニングしましょう。
プランニングの具体例
家を建てられる方は様々ですが、20代の方から60代と言った方たちが多いです。
今一番多い年齢層は30代 40代の方たちが頑張って建てられています。
家作りに一番大事なのは、土地があるか無いかから始まります。それにより資金計画が大きく違ってきます。
建物の大きさ
土地がある場合、敷地を確認し図面化した物に建物の大きさがどのくらいの物が建てられるか、 それから概算の計画を進めてみます。
たとえば、敷地60坪で建ぺい率が60%の場合、敷地には60坪×60%=36坪まで可能となります。
二階建てにすると最大36坪×2倍で床面積72坪まで可能です。
建坪とは建築面積で敷地にたたる面積のことを言います。
床面積とは実際に生活する床面積のことを言います。部屋・階段・押入れ・風呂・洗面・トイレ・ ベランダなどの総面積です。吹き抜け部分は床面積にはなりません。
最大72坪まで建てられますが、かなり大きいので、それ以下で考えて見ましょう。
たとえば 家族5人でお父さん、お母さん、子供3人の場合、平均的に35坪から45坪くらいが必要面積の平均です。
分り易いように40坪として計画してみましょう。
床面積40坪の場合の計画
建物は暖かく、ランニングコストが安く、自然素材の住宅とします。
1.建物は高断熱で高気密・高耐震
2.暖房は24時間暖房でランニングコストの安い物
3.長野県産材を使用してみましょう
4.給排水設備はやはりランニングコストの安い物
建物金額
これらの住宅で
1.高断熱+2.高気密+3.高耐震+4.長野県産材+5.珪藻土+6.自然塗料+7.電気設備 建物の値段を考えて見ます。
1~7迄が建物本体工事となります。
40坪×1坪50万円として 2,000万円。
これには電気器具・ IHヒーター・ユニットバス・システムキッチン・洗面化粧1台が入っています。
暖房設備金額
1.石油暖房機 FF式 2台 ・・・・・・・・・・ 40万円
2.石油温水式パネルヒーター各部屋・・・・・・・ 120万円
3.石油温水式床暖房 ・・・・・・・・・・・・・ 140万円
4.電気式暖房機 3台 ・・・・・・・・・・・・・ 60万円
ランニングコストは高い順で3.1.2.4 となりますので、一番安い4の電気式暖房機にしてみましょう。
給排水設備金額
給排水設備工事金額は一般的に大体120万円としましょう。
それに関る給湯機器
1. 石油給湯器フルオート 1台 ・・・・ 30万円
2. エコキュート フルオート1台 ・・・・ 50万円
ランニングコストの安い物は2番ですので、2にして見ましょう。
トイレは、ウォシュレットリモコン付き1台と手洗い器1台で、30万円としてみましょう。
建物総金額
建物2,000万+暖房60万+給排水設備工事120万+機器80万=2,240万円となります。
これで建物全ての金額が揃いました。
2,240万円+消費税112万円=2,352万の金額となります。
資金計画
こうした計算から資金計画を進めていきます。
2,352万円を35年ローンとし、そのうち352万円は自己資金としてみましょう。残りの2,000万円を借入金とします。
2,000万円÷35年で月47,619円+金利2.7%として月74,206円となります。その他保証料などの経費65万円も必要となります。
これは八十二銀行さんのシミュレーションデータの例ですが、他銀行との比較なども必要でしょう。
基本計画として融資を受けられる方がほとんどですが、銀行によって金利の違い、経費の違い等があります。提案としていろんな所の融資の見積もりを取り検討する事をお勧めします。
まずこの辺の資金計画をこの様に進めていく事がポイントになってきます。
1,000万円台で家を建てる、2,000万円で家を建てる、その他様々ですが無理の無い資金計画を進めて下さい。
プランニングから入り、最後に金額の見積もりとなると時間がかかり、最後にこんなはずでは無かったということになりかねないからです。
建物を建てるのに順番として大まかには土地の状況把握し、資金計画を立て、プランニングに入り進めていくことです。
模型作りについて
プランニングの進んでいるお客様の住宅の模型を作成しています。
なかなか図面や、パース、展開図などを見せられても良く分らない部分がありますが、模型だと空間から奥行きなど、全体的に雰囲気が分ります。
今、建てさせて頂くお客様の多くの家は和風・洋風と言った決め事が無くフリープランで、お客様と一緒に考えて「これしかない住宅」を造る事が多いのです。
色んな物件を見学し、山の木を見てさわって、色んな観点から創造しプランニングをしますが考えて作成した図面だけだと分りにくい事があります。
そこで、時にはプラニングを模型にしてみます。
模型を作成し全体の感じを見ていただきますが、その建物の中に明かりを灯して少し離れて見てみると、良い雰囲気に なるんですよね。
この模型づくりの時にも、お客様は出来上がりをとても楽しみに待っていただいています。
そんな思いをいち早く完成させ、見て頂きたくて、わくわくしながら造る方も作成しています。
「分ってくれるかな」「喜んでくれるかな」「がっかりされない様にしなければな」とか、いろいろな思いを込めてつくります。
完成した時は、すぐに見て頂きたくて電話をします。家作りも模型作りも同じなんですね。