環境について

経済成長と引き換えに失ったもの

環境には、自然環境と人工的環境などがありますが、自然に親しむ楽しさや、工夫する面白さがあります。

今、自然破壊が進み人工的な環境に慣れてしまっている人たちが多くなりつつあります。 そのような中で自然破壊の進みすぎに気づき、自然環境を取り戻そうとする動きがあります。

私の子供の頃は、舗装道路はあまり無く、砂利道で車を持っている家も少なく、テレビも白黒の真空管、おやつは 柿 林檎 干し芋 もちを揚げたあられ木の実などでした。

家は茅葺屋根の家で、障子が付いていて、木の雨戸を閉めても冬場寝る時には隙間風が入り込み、とても寒い環境の中で育ってきました。

そんな時代から今日まで物凄い成長をしてきましたが、それとともに自然破壊も同時に進んで来たと言う事です。

今になればあの頃が懐かしく、出来る事なら一度でいいから戻ってみたいと思う人は少なくないと思います。

これからの環境作り

このような急激な成長と共に生きてきた私は、とても良い経験をして来たと思っています。

それと共に、昔はこんな生活をし、こんな環境であった事、今の時代との違いなどを次の世代の若い人たちに伝えていける年代の一人だとも思っています。

「今の若い人たちは」といった言い方が多い中、今の若い人たちにもわかってもらえる様な環境作りをし理解しあう事が大切だと思います。

人と自然とのバランスの良い環境作り

今の若い人たちが悪いのではなく、今の環境を作ってきた人たちが、考え方を変えていかなければなりません。

そうしないと、取り返しのつかないたいへんなことになると思います。

人と自然とのバランスの良い環境作り、つまり今の贅沢を見直し減らしていく事でしょうか。

もったいないの気持ちが、世界を救い自然も取り戻せることにつながってきます。

私が物心付いてから今までの、37年ほどで出来上がった環境を今すぐ取り戻そうとしても、絶対に無理なことです。

それなら37年かけて、よい環境にしようとしてもたぶん無理かもしれません。もっと長い年月が掛かるのではないでしょうか。

今すぐ一人一人が良い環境作りに心がけるようにしなければならないと思います。

山の木

山の木はご先祖様からの贈り物

山の木は、昔ご先祖様が植えてくれた大事な木です。今切り出している木は、戦後植林された物も多くあります。

しかし、なかなかこの長野県は山が急勾配の所が多く、手入れが行き届かない所が多いのが現状です。

マツタケ山のような山は、マツタケがたくさん生えてもらうように、実際の斜面の手入れもすばらしくきれいにされていますが、その他の山は手入れが途中で止められてしまっている状態の所が多いです。

長野県で建築材として適している木

そこで今、長野県の木で建築材料として適している材料は、針葉樹のヒノキ、スギ、唐松が多く使用されています。

中でも杉の木は、唐松よりも量は少ないかもしれませんが沢山あります。

長野県の中信から南にかけて多く、建築材料の芯持ち材として使用することが出来ます。

つまり、一本の木から構造材一本を取る方法です。

芯が有る事により材木の強度が増し、杉の特徴として曲がりに強い、なかなか折れない特徴があり、建築材料にはとても適しています。

桧のように芯に近い所は赤く周りが白いのが特徴で、とても綺麗な色合いの木です。

唐松材は内部の桁に使用したり、羽目板にしたり、床板にしたり、さまざまな使い方をしています。

ヒノキは特に水に強く、土台や柱に使用する事が多いですね。 しかし、桧の場合は成長が遅く、残念ながら構造材の様な太い丸太はありません。

その他で広葉樹などがありますが、特徴として硬木と言はれ、例えば家の大黒柱に使用したり、床柱、敷き台、テーブルのカウンター、椅子、などの実際に見える部分に使用したりします。

楢、タモ、桜、ケヤキ、栓、その他りんご、柿、シオジ、樫、エンジュなどまだまだありますが、とにかく硬く扱いが難しい木ですね。

その代わり、木目の色合いはとても特徴があり、職人の感と腕で仕上げます。

間伐を続けることで木を育てる

この様な木が生えている山の木を間伐と言う方法で切り倒し搬出します。

間伐とは、昔植えられた木が大きく成長し、木と木の間隔が狭くなり、木は茂った葉により日が遮られ、上へ上へと伸びていきます。

しかし、強い木はぐんぐんと進みますが、遅れた木は日が当たらず、痩せ細り最後には枯れてしまいます。

それを防ぐ為に間伐をします。間隔の狭い所を、切り倒して行きます。

たとえば、まだ細い木、太い木、中くらいの木といった感じで集まっている所は、太い建築材料になる物を選択し、木と木の間の木を切ります。

そして間隔の狭かった木は、風通しが良くなり日が当たるようになり成長の状態を良くします。

家づくりを通して自然環境を整える

切り出された木には葉がありますので、その場で葉を細かくし山に均等に敷き均します。

この事により山は生き返ったように綺麗になり、敷き均された葉は木の栄養になり、木の成長を助けることになります。

山の状態が良くなり、整理され、また切らせて頂いた木は、建築材料とし生き返り、皆様方の住宅となります。

間伐した地元の山の木で家を建てる事は、自然環境を助け、家を建てる人たちと共有できます。

ただ単に長野県産材で家を建てるのではなく、山の保護、自然環境の助けになると言った深い意味を持って住宅を造っています。