桜が咲き始めました

おはようございます

 

今朝も晴れて良い天気の週末となりましたね。

みなさん、お休みは如何お過ごしされますか。

今日の新聞では、大町市で20歳の感染者が出てしまいましたが、

県外の2ヶ所のライブ会場へ行って感染し、戻って来たそうです。

自粛しろと言っているのに、まったく困った若者ですよね。

こうやって、広がって行く事の恐ろしさを無視した行動は、

周りの人達も含め、控えさせなければいけませんね。

せっかくの休日ですが、人ごみの中へは出かけないようにして、

ご家族で楽しく過ごしてくださいね。

 

今日の気温です

4月4日

 朝6時室内温度20℃

 外気温度5℃

 昨晩の室内温度23℃でした。

 

今日は、

週末に読んでもらいたい話、

最高の子供達。

昔話になるが、15歳の時に親父が畑や山に通うのに使うスーパーカブを無免で持ち出し、

親父に顔の形が変わるほどぶん殴られて以来のバイク好きだった。

カブから始まり、モンキー、FX、CBX、CB750、Ninja 750と乗っていた。

24年前に結婚して子供が二人でき、それからは苦しいながらも家族と車とバイクと、

それなりに楽しい日々だった。

15年前の夏、俺は妻を子宮癌で亡くした。

俺は最愛の妻を失い、子供達…長男は小学3年生、

長女は小学1年生…あの子達は永久に母親を失ってしまった。

3人で泣き腫らした、あの夏の日から15年。

15年目のクリスマス……。

妻が残してくれた子供達を一人前に育てるのが俺の役目だと、

あの日以来バイクを降り、バイクの本も工具類も売り払い、ウェア類は処分をした。

あれから毎日は懸命だった。

それこそ、仕事以外は家事も料理も掃除さえもやった事のない俺だが、

周りの沢山の人の協力で何とかやって来られた。

どんなに頑張っても、年に数回しか行けない参観日。

不細工な弁当のレジャーマットに3人だけの運動会。

あの二人は、きっと寂しかっただろう。

母親の来てくれる参観日を、両親の揃った運動会を恨んだだろうと思う。

15年……よくもまあ、グレもせず曲がりも間違いも犯さず成長してくれたものだと思う。

ようやく…、やっとこさっとこ……。

今年の春から、上の子は大学を無事卒業して公務員として。

下の子は、看護師資格を取り、隣街の市立病院の職員として。

二人とも、俺から巣立ち働き始めた。

俺は春から、娘の飼っているウサギと猫を話し相手に暮らしていた。

お盆休み、息子が帰省して久々に親子三人が揃った時に、息子が俺のバイクの話をし始めた。

そう言えば、幼かった息子を乗せてバイクで何度も出掛けたっけ…。

「一番楽しかった、一番懐かしいバイクって何?」

と聞かれ、あれこれ逡巡し、

「お母さんと出会った頃に乗っていた、バイクかな。

俺がバイトして初めて買ったバイクで、当時9万円位だったよ。

あれで高校の仲間と休みの度に色んな所へ行ったよ。

学校帰りのお母さんを待ち伏せして、自転車と併走しながら、

川辺りを走ってデートしたもんさ」

多分、この会話が切っ掛けだったのかな。

クリスマスイブの夜、二人が帰って来た。

何とまあ、わざわざ俺とクリスマスを過ごさなくても。

若いんだから、デートとかパーティーとかは無いのか…。

嬉しかったけどさ。

嬉しくてはしゃいだのか、割と酒を飲んだ。

翌日は、早出の仕事だったから二人より先に寝た。

明け方、夢を見た。

妻の夢だった。

若い頃の、妻。

セーラー服を着て、重そうな鞄を後ろの荷台に括り付け、

懸命に自転車を漕いでいる妻。

その横を、バイクに乗っている俺はアクセル全開で走っている。

俺はバイクなのに、どんどん離れて行く。置いて行かれる。

「待てよ!先に行くなよ!調子悪いんだよ!追い付けないんだよ!」

訳が解らなくて妻に声を掛けるけど、やっぱり置いて行かれる……。

とうとう妻は、夕日の中に消えて行った。

そして向こうから、

「ゆっくりおいでよ。先に行ってるから」

何年ぶりだろう。死んだ妻が夢に出て来たのは。

早朝目を覚ますと、二人ともゴソゴソ起き出して来た。

朝食を食べながら息子が、

「俺はもう帰るし、正月はスキーに行って来るから」

と言った。娘は、

「今日は休みだから夕方まで居るね」

息子を駅まで送り、仕事へ行き、早出のいつもの時間に帰宅すると…。

バイク屋をやっている同級生が来ていた。

車庫の前で、娘が一言。

「クリスマスのプレゼントだよ。

兄ちゃんと半分ずつ出して買ったんだからね。

大事に乗ってよね。

怪我して私の病院に運び込まれるのは勘弁してね」

ご丁寧に、原付二種の黄色ナンバーを付けたホンダのモンキーがそこにあった。

同級生が言う。

「盆明けに、お前の息子から頼まれたんだよ。

昔、お前が死んだ嫁さんと知り合った頃のバイクは手に入らないか、ってな。

あの頃は、モンキーだっただろ。

20年以上経って、ちょいとお前が乗ってたのとタンクは変わっちゃいるが、モンキーだぜ。

しかも40周年記念カラーだ!良い子供達だよな……」

それだけ言うと彼は帰って行った。

「晩ご飯作っといたから~。じゃね~」

と娘が帰って行くと、本棚から妻の写真を取り出し、泣いた……俺は泣いた。

実に15年振りに、思い切り泣いた。

泣きながらモンキーのエンジンを掛けて、

20数年ぶりに 50cc単気筒の排気音を聞きながら、泣きながら、笑った。

絶対天国に居るはずの、さっちゃん。

君の残してくれた子供は、俺にとって最高の子供達です。

ありがとう。

ありがとう。

春になったら、まとめて休みを貰って、これに乗って、遠くに出掛けよう。

昔みたいに、四国か九州でも走ってみるかな。

 

良い子に育った子供達、

嬉し泣きに泣いたお父さん、

妻との思い出や、寂しかった時代を乗り越えて、

我慢していたものが一気に涙となって吹き出したんですね。

世の中苦しい事ばかりじゃない、きっと良い時だってありますよね。

 

今日もみなさんが幸せな1日でありますように

 

佐々木より 

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